第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 10:00 |
会場名 | 大講堂 |
講演番号 | A-27 |
発表題目 | 台湾と日本における保安林制度の違いとその要因 What brought the differences in the Protection Forest Systems between Taiwan and Japan |
所属 | 筑波大学 |
要旨本文 | 保安林制度は、水源の涵養や山地崩壊の防止など公益的機能の確保を目的として、森林の開発や利用を規制し、森林の保全を図る森林保全制度である。日本では1897年に、台湾では日本統治下にあった1907年より導入されている。台湾と日本の保安林は、森林に占める面積の割合、規制内容において、第二次世界大戦末時点では類似していたが、現在では相違がみられる。それはなぜだろうか。本研究では、戦後から現在にかけて台湾と日本の保安林制度に相違を生んだ要因を明らかにすることを目的とした。そのために、主として文献調査により、それぞれの保安林制度の変遷と転換点を明らかにするとともに、主に聞き取り調査を通じて、現在の運用状況を検討した。その結果、台湾では森林施業規制、日本では林地転用規制が重視されていることが明らかとなった。この違いは両者の保安林制度の治山事業における位置づけや森林所有形態の違い等によるものであると考えられる。本研究は、国や地域を越えた共通の制度の策定をする際に、実際の運用を含めた制度の実効性を理解し、当該国や地域における制度の位置づけや機能を考慮する必要があることを示唆している。 |
著者氏名 | ○加藤葉月1 ・ 石崎涼子2 ・ 立花敏3 ・ Chiou, Chyi-Rong4 |
著者所属 | 1筑波大学生命環境系 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林業経営・政策研究領域 ・ 3京都大学大学院農学研究科 ・ 4国立台湾大学森林環境及資源学系 |
キーワード | 保安林, 治山, 国際比較, 台湾, 日本 |
Key word | protection forest, forest conservation work, International comparison, Taiwan, Japan |