第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:00
会場名 大講堂
講演番号 A-36
発表題目 ウッドショックが残したもの
The impact of the 2021 sticker shock on wood products, known as the “wood shock"
所属 森林総合研究所
要旨本文 2021年に発生した木材不足と価格高騰、いわゆるウッドショックから得られる示唆と、その混乱が落ち着いたあとも木材マーケットに残る変化について検討した。ウッドショックでは、輸入材製品の不足と価格高騰が発端となったこともあり、その供給安定性に対する懸念が高まるとともに、国産材製品への転換を図る動きが広がった。混乱が落ち着くと、輸入材製品への揺り戻しが起きる一方、そのまま国産材製品への転換を進める動きも残った。これらのことから、①木材製品には高い価格競争力が求められるものの、供給安定性も重要であることがうかがえた。また、品目ごとの価格推移から、②今日の木質系建築材料マーケットにおいては、軸材料では集成材や人工乾燥材が、面材料では合板が、それぞれ欠かせない存在となっていることがうかがえた。ウッドショックによる混乱が落ち着いたあとも残る変化としては、まず、木材価格の高止まりが挙げられる。「国内企業物価指数(2020年基準)」の「木材・木製品」は2023年8月に135.5で下げ止まったあと、直近の2024年11月(133.6)までほぼ同じ水準を保っており、このことが木材やその代替財のマーケットにも影響を及ぼしている。
著者氏名 ○嶋瀬拓也
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
キーワード ウッドショック, 木材市場, 代替財
Key word Sticker Shock of Wood Price, Wood Products Market, Substitutional Goods