第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月22日
開始時刻 16:00
会場名 大講堂
講演番号 A-39
発表題目 日本における広葉樹材に関する輸入需要モデルの推計:オークを中心に
Estimation of the import demand model for hardwood timber in Japan: focusing on oak
所属 森林総合研究所
要旨本文 世界の木材市場における価格高騰や日本の購買力低下により、日本における木材輸入は下降トレンドとなっている。これまでの木材輸入に関する計量経済学的研究は針葉樹材を対象としたものが多く、広葉樹材に関する研究は限られている。本研究では、輸入広葉樹材のうち代表的樹種であるオークの丸太について輸入需要モデルを構築し、輸入丸太価格の変動や世界の木材市場における他国の影響力の増大が、日本の広葉樹材の輸入需要に与える影響を定量的に把握することを目的とした。本研究では、トランスログ型費用関数を基に輸入需要モデルを定式化した。データは、財務省「貿易統計」および国際連合「UN comtrade」から取得した。モデルの推計は、経済理論に基づく制約条件を課したうえで、見かけ上無関係な回帰法により行った。その結果、主な輸入相手国である米国からの輸入について、自己価格弾力性および他産地のオーク丸太価格に対する交差価格弾力性がいずれも有意であるが非弾力的であること、輸入需要には産地ごとに季節性が見られることなどが明らかになった。また、誤差修正モデルの推定結果から、オーク丸太輸入における短期的な調整過程の存在が示された。
著者氏名 ○樋熊悠宇至1 ・ 道中哲也1 ・ 天野智将2 ・ 嶋瀬拓也2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
キーワード 価格弾力性, 誤差修正モデル, 見かけ上無関係な回帰, トランスログ費用関数, 木材貿易
Key word price elasticity, error correction model, seemingly unrelated regression, translog cost function, timber trade