第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月22日
開始時刻 16:15
会場名 大講堂
講演番号 A-40
発表題目 旧葉たばこ産地における1960年代の林野利用の実態と長山家のライフコース
Land Use in 1960s and the Choyama Family Life Course in leaf tobacco Production Area
所属 東京農工大学大学院
要旨本文 森林がどのような管理、経営の元に今日にまで継承されてきたか、これらは地域における持続的な森林資源管理を考慮する上で不可欠な視点である。本研究は、故長山茂樹氏の残した「新農家日記」(1964~2003)全32冊ほか関連文書の分析についてライフコース論を援用しつつ、拡大造林を担った一農家林家というミクロな視点でその実態を解明する。 本発表では日記の解読を終えた1964年から1985年の期間のうち、1960年代について報告する。1960年代は当主である茂樹氏が38~47歳であり、子息たちは長女が1967年、次女が1969年に就職による離村まで家族構成員の全員が揃っていた時期にあたる。人口流出前の最も集落人口が多かった時期であり、庚申講や念仏講などの会合や、「ヨイ」と呼ばれる労働力の貸し借りの記載も多く見られた。算出した労働時間の分配を見ると上位の中に林業施業が分配されており、960年代が林業への最も多い労働時間を分配した期間であった。大木須は葉たばこ産地で、広葉樹が卓越した森林資源構造であったため、植栽がなされた林地は農用地と密接した位置関係にあり、薪や農業用堆肥の採取とともに林業施業が行われていた実態が明らかとなった。
著者氏名 ○角谷黎1 ・ 山本美穂2
著者所属 1東京農工大学大学院連合農学研究科 ・ 2宇都宮大学農学部
キーワード 新農家日記, ライフコース, 葉たばこ産地, 針葉樹人工林, 大木須
Key word Agricultural logbooks, Life Course, Leaf tobacco, Coniferous plantation, Ogisu