第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 17:00 |
会場名 | 大講堂 |
講演番号 | A-42 |
発表題目 | 秋田県における近代の国有林経営と地域社会 Relationship between National Forest Management and Local Communities in Akita Prefecture during the Modern Era |
所属 | 法政大学 |
要旨本文 | 本研究の目的は、近代日本の国有林経営と地域社会との関係について考察することである。対象地域は史料の残存状況等から秋田県とし、分析には東北森林管理局に伝来した施業案説明書を使用した。明治37(1904)年に営林技師戸沢又次郎によって調製された「秋田大林区署大館小林区署・白沢小林区署上下長木事業区施業桉説明書」を例にとると、当時、同事業区はスギの「天然林」を主とし、良材の産出で有名であった。同事業区の施業方針には、周辺地域との関係が反映されていた。たとえば藤田組による小坂鉱山の開発は、坑内支柱等の木材需要を拡大させた。これらの需要を充足させ相互の利益を図ることは、「本事業区ノ将来ニ関シ最モ注意スベキ事項」であった。ただし煙害による損失も甚大で、とくにアカマツ被害区域は「煙害施業制限地」に設定された。同事業区では基本的にスギ林の育成が進められたが、煙害地ではナラ類等が選択された。また「杉雑混淆林及雑木林」は、地元村落に対する薪炭材供給を考慮しつつ、漸次、スギ林へ変更することとされた。さらに従来、地元村落の「秣草苅取慣行」が認められてきた箇所は、その需要が考慮され、一時的に施業制限地に編入された。 |
著者氏名 | ○芳賀和樹 |
著者所属 | 法政大学人間環境学部 |
キーワード | 歴史資料, 施業案, 地域性 |
Key word | historical materials, forest management plans, regional characteristics |