第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | 10:30 |
会場名 | 大講堂 |
講演番号 | A-6 |
発表題目 | 長期滞在型観光の拡大の可能性:屋久島における長期滞在客の特性に着目して Potential for Expansion of Long-stay Tourism: Focusing on Characteristics of Long-stay tourists in Yakushima Island |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 屋久島(鹿児島県)では、世界遺産登録により1990年前後から入込客数が増加し、2000年代後半には登山者急増によるオーバーツーリズム(以下、OT)が発生した。OTを軽減する利用の「分散」の一つとして、長期滞在型観光(以下、滞在型観光)があるが、屋久島での研究蓄積は十分ではない。本研究では、ゲストハウスや1棟貸しの長期滞在者への聞き取り調査(19名)を実施し、来訪動機や行動特性に基づく類型化を行って実態を把握した。長期滞在者は10~50代で、関東地方からが7割を占め、約半数がリピーターだった。食事は宿泊施設での自炊が中心であり、また、縄文杉への訪問計画がある、もしくは訪問したと述べた人は3割にとどまった。「農業体験中に農家さんと談笑した」など、島民との交流も見られた。長期滞在者は、屋久島への移住を考えている「移住組」、ワーケーションなどを行う「ノマド組」、出産や転職を契機に訪れた「転機組」に大別できた。様々な島の魅力を感じる長期滞在者は、利用の分散に貢献し、地域との交流を通じて、「移住組」のようにリピーターや移住者になり得る。滞在型観光の拡大は、OT再発を防ぎ、屋久島を持続可能な観光地に転換する可能性がある。 |
著者氏名 | ○柴崎茂光 ・ 西富琉之助 ・ 古井戸宏通 |
著者所属 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
キーワード | 観光地ライフサイクルモデル, 持続可能な観光, 世界遺産, オーバーツーリズム, 国立公園 |
Key word | TALC, Sustainable tourism, World heritage, Overtourism, National park |