第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月21日
開始時刻 10:45
会場名 大講堂
講演番号 A-7
発表題目 林学における「樹芸」概念の特徴と変遷
"Jugei" or arboriculture in the context of forest science in Japan
所属 東京大学
要旨本文 本研究では、日本でかつて用いられた林学用語であり、一分野を形成した「樹芸」について、その語源と意味内容の変遷を検討した。樹芸は本来、植物一般を植え育てることを指す一般用語であり、職業として樹芸に従事する場合には、現在の植木あるいは造園業を意味する言葉として用いられていた。林学用語として樹芸が用いられた例は、20世紀に入ってから見られる。当初、樹木一般を栽培する行為を指す用語として用いられたが、arboricultureの対訳語として現在の造園学に相当する林学の一分野を指すようになった。太平洋戦争中、特殊な林産物の生産、すなわち現在の特用林産に相当する意味を持つ用語として使われるようになり、この用法は急速に広まった。以後、造園的な用法と林産的な用法が並行して用いられたが、2000年頃までには専門用語としてほぼ通用しなくなったものと考えられる。また、日本で用いられた樹芸(学)と、arboricultureの語意とに差異があったことが指摘できる。
著者氏名 ○齋藤暖生
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林樹芸研究所
キーワード 森林科学史, 造園学, 林産学, 特用林産物, 意味領域
Key word history of forest science, Landscape Architecture, wood science, Non timber forest products, semantic field