第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月21日
開始時刻 11:00
会場名 大講堂
講演番号 A-8
発表題目 ボランティア団体が行う半自然草原の保全に向けたニホンジカ被害対策
Japanese deer damage control for conservation of semi-natural grassland by volunteer groups
所属 長野県林業総合センター
要旨本文 長野県安曇野市で2002年から里山再生を行っているNPO法人森倶楽部21では、里山整備作業と一緒に林内に育つ春植物や、草原性で秋に開花する多年生草本のモニタリングを続けており、作業を繰り返すことでモニタリング植物が回復基調にあった。しかし、ニホンジカの増加による食害で開花数が減少しており、対策が急務だった。ボランティア団体では、簡易な方法での防除が現実的だが、効果が不明瞭である。今回、2023年秋にセンサーカメラを設置してニホンジカの出現状況を確認するとともに、2024年春から自分たちでできる防除を試みた。短期間防護すれば何とかなる春植物に対しては、発生箇所の周囲を竹杭で囲み、長期間の防護が必要な秋に開花する多年生草本については、発生域を囲むように汎用品の安価な防護柵を設置した。防除実施後もセンサーカメラでニホンジカの行動を観察したところ、ニホンジカの頭が入らない間隔で竹杭を挿した防除でも、杭の手前で戻るニホンジカが観察されるなど春植物の食害を免れた。防護柵設置により秋までニホンジカは侵入せず、柵内のワレモコウやツリガネニンジンは秋に開花する個体が増えた。
著者氏名 ○小山泰弘1 ・ 柳澤賢一1 ・ 森芳昭3 ・ 百瀬ちゆき3 ・ 松田貴子2,3
著者所属 1長野県林業総合センター ・ 2安曇野市豊科郷土博物館 ・ 3特定非営利活動法人 森倶楽部21
キーワード 蝶類, 希少植物, ニホンジカ, 防護柵
Key word butterflies, rare plant, Japanese deer, fence