第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:45
会場名 S11
講演番号 B-15
発表題目 現代山村における焼畑の変容 石川県白山市白峰地域を事例に
Changes in shifting cultivation in modern Japanese mountainous village: A case in Shiramine area, Ishikawa prefecture
所属 名古屋大学大学院
要旨本文 東南アジア地域などで焼畑は森林破壊など環境に悪影響を与えるとして,政府などにより厳しく管理されてきた。一方,復興活動や教育での活用などがみられる現代日本の焼畑は保全の対象とされているが,どのような主体が関わり,何のために行っているのかなど現在の焼畑の様態に関する研究は限られる。そのため,本研究では山村に残る焼畑の実施現状を明らかにし,その現代的な意味を考察することを目的とする。2023年に2例の焼畑実施が確認された石川県白山市白峰地域を調査地とし,焼畑実施者などをはじめとする関係主体への聞き取り調査や,焼畑の火入れや収穫への参与観察を行った。調査地域では,地域住人や地域外者と関りながら焼畑は残されていたが,参加者,耕作サイクル,実施過程の一部は変化して継承されていた。調査地において,かつての焼畑は食糧生産を目的としていたが,現在は焼畑という伝統文化を見せる,もしくは体験するという目的に変化していた。焼畑は現在の関係者のニーズに合わせるように,順応的のあり方を変化させて受け継がれてきたと考えられる。
著者氏名 ○上田隆太郎 ・ 原田一宏
著者所属 名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード 焼畑, 山村, 白峰地域
Key word shifting cultivation, mountain village, Shiramine area