第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:30
会場名 S11
講演番号 B-3
発表題目 富士山吉田ルートの安全登山対策の評価:関係者の聞き取り調査から
Evaluating the safety trekking measures along the Yoshida Route on Mt. Fuji , Japan: From interviews of stakeholders
所属 北海道大学
要旨本文  富士山では、登山道や山頂で発生する混雑の問題(山本ほか,2004)に加え、近年弾丸登山者のマナー違反が問題となっている。これらの問題を抜本的に解決するため、富士山吉田ルートでは、山梨県によって2024年開山期から安全登山対策(以下、対策)が導入された。しかし、関係者がこの対策に対してどのような意向を持っているのかは不明である。本研究では、関係者がこの対策をどのように評価しているのかを聞き取り調査より明らかにした。聞き取り調査は、関係者9名に対して対策の実施前と実施後の計2回実施した。 対策の実施前の聞き取り調査結果から、関係者の大半がこの対策に概ね賛成していることが明らかとなった。一方、通行料の強制徴収には懸念の声も存在した。例えば、宿泊料金が安価な山小屋ほど影響を受ける可能性がある、通行料徴収の確認に時間を要する等であった。対策実施後の聞き取り調査結果では、この対策により弾丸登山者によって受ける負の影響は少なくなったという評価が聞かれた。さらに、関係者の多くがゲート閉鎖時間の前倒しや一日当たりの入山者数の引き下げといったさらなる対策内容の強化を要望していた。
著者氏名 ○福島雅之1 ・ 庄子康2 ・ 愛甲哲也2
著者所属 1北海道大学大学院農学院 ・ 2北海道大学大学院農学研究院
キーワード 富士山, 登山安全対策, 聞き取り調査
Key word Mt. Fuji, safety trekking measures, interview