第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:15
会場名 S11
講演番号 B-5
発表題目 北アルプス・太郎山~北ノ俣岳間の地形と人為的攪乱について
Topographic Characteristics and Human Impacts of The Trail between Taro-yama and Kitanomata-dake, Northern Japan Alps
所属 NPO法人 富山県自然保護協会
要旨本文 中部山岳国立公園・太郎山三俣蓮華岳線登山道は太郎平小屋(標高2329m)から三俣蓮華岳(標高2841m)へ向かう登山道である。起点から約2㎞の区間は周囲が概ね草原で、長らく、登山道の侵食が激しいことが問題となっているが、今のところ有効な対策は講じられていない。そこで、さらなる侵食の防止と地形ならびに植生の回復について広く協議するための資料として、現状把握に着手した。地上での調査に加えてドローン空撮からオルソモザイクと標高データを得た。この標高データから50m間隔で42個の地点でQGISにより登山道を中心とした地形の断面を解析し、侵食された深さと断面積を推計した。その結果11の地点で浸食の深さが1mを越え、起点から1.85㎞の地点は最も浸食が大きく深さ2.63m、断面積8.39㎡と推計された。近年、登山道の管理や整備の方法についてさまざまな取り組みが議論されているが、この規模での浸食では資材の量や土留めにかかる土砂の重量も大きくなり、しっかり設計された公共工事が必要と思われる。今後、周囲の生態、景観等に配慮した工法を議論する必要があると考える。
著者氏名 ○大宮徹 ・ 山橋貞信 ・ 平野勝博
著者所属 NPO法人 富山県自然保護協会
キーワード 登山道, 地形, 侵食, 人為的攪乱, 国立公園
Key word mountain trail, topography, erosion, human impacts, National Park