第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

日付 2025年3月21日
開始時刻 9:45
会場名 S32
講演番号 D-4
発表題目 スギ・ヒノキ人工林の再造林を対象としたカーボンクレジット評価手法の検討
Carbon Credit Assessment for Reforestation: Focus on Cedar and Cypress Plantation
所属 東京農工大学
要旨本文 Jクレジットの森林系プロジェクトに、森林経営計画に則った適切な施業を通じてクレジットを創出する森林経営活動(FO001)がある。FO001では、プロジェクト期間中に主伐を実施する予定の林分を含んだうえで、森林全体での吸収見込み量が排出見込み量を上回ることが求められているが、主伐に伴う排出の評価には時間的な枠組みが考慮されていない。本研究では、スギ・ヒノキ林を主伐し再造林した際の炭素収支を、FO001の評価方法と経年変化の収支を評価する方法で分析を行った。その結果、FO001の評価では伐採後の初年度から排出削減を示す一方、経年変化では削減を示すまでに30年以上の期間を要し、再造林後の伐採時に再び排出に傾くことが明らかとなった。これはFO001において、主伐の排出を計上した上で、再造林されない状態をベースラインとして設定しているためである。このベースラインを前提に、伐採せずに放置する場合の炭素収支を経年変化で評価すると、主伐をFO001で評価した場合より多くのクレジットが得られることが分かった。したがって、FO001において時間変化に伴う評価を導入する必要性は高いが、それに合わせたベースラインの検討も必要である。
著者氏名 ○佐藤惟生1 ・ 戸田浩人2 ・ 吉田智弘3 ・ 船田良2 ・ 吉田誠2 ・ 加用千裕2
著者所属 1東京農工大学大学院連合農学研究科 ・ 2東京農工大学大学院農学研究院 ・ 3東京農工大学農学部FSセンター
キーワード カーボンクレジット, 森林の炭素収支, ライフサイクルアセスメント
Key word carbon credit, Forest carbon budget, Life-cycle assessment