第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2025年3月22日
開始時刻 14:15
会場名 N11
講演番号 E-13
発表題目 森吉山麓高原自然再生事業におけるブナ植栽木の成長と植生の再生
Growth of beech planted trees and regeneration of vegetation in the Moriyoshi Nature Restoration Project
所属 秋田県林業研究研修センター
要旨本文 森吉山麓高原自然再生事業では、森吉山の東側にある牧場跡地にブナ林を再生するため、2006年からブナ苗木の植栽を行っている。事業開始から18年が経過し、植栽木の現況や成長過程を評価するため苗木の成育調査を実施した。また、牧場跡地における樹林化の進行状況を把握するため、ドローンを用いた空撮画像で現地の植生を確認した。この2つの調査結果をもとに、今後の事業方針を検討した。当該調査地は標高680mから780mにわたる緩やかな斜面で、植栽後は保育作業を行わず自然の状態で成長を観察している。成育状況を評価するため、植栽から16年後の生存率と成長を比較したところ、山採苗と育苗苗では育苗苗の方が良好であることが確認された。樹林化の進行状況を把握するため、2024年7月にドローンで空撮を行い、撮影した画像をもとにオルソ画像を作成した。さらにオルソ画像を用いて目視により植生の判読を行った。解析の結果、牧場跡地全体では草地が最も広い面積を占め、低木林は草地の半分以下の面積であった。一方、ブナの植栽範囲では低木林が62%を占め、草地よりも広い割合を示した。このことから、ブナの植栽が低木林の面積拡大に寄与していると考えられる。
著者氏名 ○沼宮内信之 ・ 菅原悠樹 ・ 和田覚
著者所属 秋田県林業研究研修センター
キーワード ブナ苗木, 豪雪地帯, 自然再生, 樹林化, 生残成長
Key word beech sapling, area of heavy snowfall, Natural Regeneration, Forestation, survival growth