第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:30
会場名 N11
講演番号 E-17
発表題目 南九州の早生樹育林における台風被害事例
A Case Study on Storm Damage in a Fast-Growing Tree Plantation
所属 宮崎大学
要旨本文 早生桐はキリ(Paulownia Tomentosa)のなかでも特に成長が早い株を選抜したものであり,早期の成長量がきわめて大であることから,温暖化対策として各地でイベント的に植林されている。発表者は宮崎県児湯郡川南町の丘陵地にある耕作放棄地で2022年7月に植栽された早生桐の成長を観測している。植栽地の面積は0.85haで,植栽本数は約600本であった。2022年~2023年越冬時の平均樹高は約80cm,2023年~2024年の平均樹高は約390cmであった。2023年台風6号,2024年台風10号と連年の台風襲来を受け,2023年には582本中208本(36%),2024年には491本中241本(49%)が幹折れ,根返りの被害を受けた。両年とも約半数は地上高0.8~1.0m付近での幹折れであった。同時期に同樹種を植栽した,丘の斜面を約200m下った試験地では幹折れの発生率は63%と高かったものの被害の程度は小さく,生存には大きな支障がない被害に留まっていた。すなわち,台風などの風害が多い地方では,早生樹の植栽地の選定には風の影響を考慮した慎重な選定が求められると言える。
著者氏名 ○櫻井倫1 ・ 酒見和幸2 ・ 福田貴子2
著者所属 1宮崎大学農学部 ・ 2株式会社九電工
キーワード 早生樹, 風害, キリ, 幹折れ
Key word Fast growing tree, Wind damage, Empress tree, Stem breakage