第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 17:15 |
会場名 | N11 |
講演番号 | E-23 |
発表題目 | 播種起源の40年生ミズナラ林の成長過程:初期の競合植生制御の効果 Growth patterns of 40-year-old seeded Japanese oak forest: effects of controlling early competitions |
所属 | 北海道大学 |
要旨本文 | 北海道では重機で地表のかき起こしを行ない、その後播種でミズナラを育成した報告がみられる。しかし、その動態・成績を長期に示した事例は少ない。かき起こし地では多くの場合カンバ類が天然更新しミズナラを上回る速度で成長する。そのため、初期の成績が良好だったとしても、その後のカンバ類の制御が課題である。本研究では、5-6年生時に下刈りを実施し、その後一切保育作業が行われなかった40年生の林分におけるミズナラとダケカンバとの種間関係を明らかにした。面積3haの施工地内に6箇所の調査地(計0.5ha)を設けた。ミズナラの密度は900本/haでダケカンバより低かった(1100本; 2種で全体の9割)ものの平均直径(12cm)はダケカンバより大きく樹高(11m)は同程度であった。隣接する両種の個体間の成長経過を樹幹解析で比較すると、5-10年生(下刈り直後)の期間にダケカンバとの差を維持できると、ミズナラの成長は現在に至るまでおおむね順調であった。かき起こしと播種でミズナラを育成する場合、このように、初期にダケカンバをいったん抑制すれば長期に放置してもミズナラの成林に至る可能性があることが示された。 |
著者氏名 | ○吉田俊也1 ・ 原谷日菜2 |
著者所属 | 1北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 2北海道大学大学院環境科学院 |
キーワード | ミズナラ, 播種造林, 樹幹解析, ダケカンバ, 下刈り |
Key word | Quercus crispula, direct seeding, tree stem analysis, Betula ermanii, weeding |