第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:00
会場名 N23
講演番号 F-14
発表題目 日本固有シャクナゲ亜属の系統関係と遺伝構造
Phylogenetic relationships and genetic structure of subgenus Hymenanthes species endemic to Japan
所属 岐阜大学
要旨本文 ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属は,我が国には6種が生育しており,そのうちアズマシャクナゲ,ツクシシャクナゲ,ホソバシャクナゲ,ヤクシマシャクナゲ(初出以降は種名や変種名からシャクナゲを省略する)の4種が日本固有である。4種は,葉や花の形態から,さらに種内で複数の変種に分けられる。本研究ではこれら4種35集団181個体のGBSデータを用いて,系統関係と遺伝構造を明らかにした。4種はそれぞれ単系統性を示したが,ツクシの変種キョウマルシャクナゲはアズマの分岐群に含まれた。キョウマルは7数性の花を持つツクシ変種群では唯一5数性を示し,この点でアズマと共通するため,このグルーピングは花形態による区分と一致する。また,アズマの変種アマギシャクナゲのA2集団はツクシの分岐群に含まれ,九州系統と近縁だった。A2集団は他のアマギ集団と異なり花が7数性を示すため,花形態による区分と一致する。最も広い分布域を示すツクシは葉形態から,複数の変種に分けられているが,葉の形態に関わらず,地理的に近い集団が近縁関係を示した。以上より,花形態は種間関係を反映し,葉形態は種内変種間関係を反映しないことが明らかとなった。
著者氏名 ○玉木一郎1 ・ ワースジェームズ2 ・ 須貝杏子3 ・ 阪口翔太4 ・ 渡辺洋一5
著者所属 1岐阜大学応用生物科学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 3島根大学学術研究院農生命科学系 ・ 4京都大学大学院人間・環境学研究科 ・ 5千葉大学大学院園芸学研究科
キーワード ツツジ科, ツツジ属, 一塩基多型
Key word Ericaceae, Rhododendron, SNP