第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 15:45 |
会場名 | N23 |
講演番号 | F-16 |
発表題目 | 日本および極東ロシアにおけるカラマツ属の遺伝的変異 Genetic variation of genus Larix in Japan and Russian Far East |
所属 | 千葉大学 |
要旨本文 | 造林樹種として重要なカラマツは、大陸に近縁種が数種分布する。これら大陸産のカラマツ属は、ロシアや中国の研究者によって種間関係や系統地理的特徴が議論されてきたが、日本産カラマツを含めた解析は限られている。カラマツとグイマツの雑種が有用品種として利用される現状を考えると、極東地域におけるカラマツ属の遺伝的変異の把握は更なる利用可能性や天然林を含む森林管理のための基礎情報として重要であると考えられる。本研究では、日本産およびロシア産カラマツ属を対象に核ゲノム(RAD-seq)および葉緑体ゲノム(capture-seq)を用いた遺伝解析を行った。 核SNPsに基づく集団間の遺伝的分化(FST)は0.38を示し、系統解析の結果ロシア産カラマツ属とカラマツは明瞭に分岐された。葉緑体ハプロタイプはロシア産カラマツ属とカラマツの間で大きく区別された。一方で、ロシアの共同研究者によって採取された樺太産1集団は核・葉緑体共にカラマツの遺伝的変異を示し、日本統治時代に植林されたカラマツが当地に残存している可能性が示された。加えて、カラマツとの交雑を示唆する遺伝的混合を示した個体も発見された。 |
著者氏名 | ○渡辺洋一1 ・ 北村颯太2 ・ 内山憲太郎3 ・ 永野惇4 ・ 石塚航5 ・ Elena A Marchuk6 ・ Nataliya A Tsarenko7 ・ Viktor V Sheiko6 ・ 中村剛8 ・ 百原新1 ・ 戸丸信弘9 |
著者所属 | 1千葉大学大学院園芸学研究科 ・ 2名古屋大学農学部 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 4龍谷大学農学部 ・ 5北海道立総合研究機構 ・ 6ロシア科学アカデミー ・ 7極東連邦大学 ・ 8北海道大学植物園 ・ 9名古屋大学大学院生命農学研究科 |
キーワード | カラマツ属, RAD-seq, 葉緑体DNA |
Key word | genus Larix, RAD-seq, Chloroplast DNA |