第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 16:30 |
会場名 | N23 |
講演番号 | F-19 |
発表題目 | スギ不定胚形成細胞における不定胚成熟能と関連した発現遺伝子の探索 Genes expressed in embryogenic cells involved in the ability of cotyledonary embryo maturation in Japanese cedar |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 組織培養の中でも不定胚(cotyledonary embryos)を経由した個体再生は、最も効率的な植物体増殖法の一つである。造林用の苗木生産への応用も期待されているが、不定胚の形成効率が細胞系統によって大きく異なることが問題となっている。本研究では培養の初期において高い不定胚形成能を持った系統を選抜することを目的に、増殖培地で継代中および成熟培地に移植直後の不定胚形成細胞(embryogenic cells, ECs)の遺伝子発現を調べ、指標となりうる発現遺伝子を探索した。不定胚形成能の高い系統(MKT-02, -23, -33)と低い系統(MKT-04, -40, -63)間での差次的発現遺伝子(DEGs)を同定し、これらDEGsの遺伝子の機能をKEGG、GO、Pfamから予測した。また不定胚形成との関与が知られる主要遺伝子の発現の推移を調べた。ECにおいて最も系統間で発現の違いが見られたDEGsはSUGI_1014060で、不定胚形成能の低い系統において高発現した。SUGI_1014060は成熟培地に移植後もDEGとして同定された。SUGI_1014060の機能はヒストン脱アセチル化との関連が示され、エピジェネティックな修飾の変化が主要な関連遺伝子の発現を抑制することで不定胚形成に負に影響すると考察した。 |
著者氏名 | ○鶴田燃海 ・ 丸山毅 ・ 上野真義 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 |
キーワード | 不定胚, スギ, 脱アセチル化, トランスクリプトーム |
Key word | Cotyledonary embryos, Cryptomeria japonica, Deacethylation, Transcriptome |