第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:15
会場名 N23
講演番号 F-2
発表題目 スギ採種園におけるカメムシ類の季節変動と加害が発芽率に及ぼす影響
Seasonal variation of stinkbugs and the effect of their infestation on seed germination rate in a cedar seed orchard
所属 兵庫県立農林水産技術総合センター
要旨本文  兵庫県産少花粉スギ種子は、数年に一度、発芽率が平均よりも大幅に低下する年がある。これまでの調査で、そのような低下は袋掛けで防げ、その要因は種子害虫によるものと推測された。しかし、主な種子害虫であるカメムシ類における採種園での生息実態や種子への加害状況は十分に明らかにされていない。そこで、本県少花粉スギ採種園(朝来市)において、カメムシ類の季節変動、加害が発芽率に及ぼす影響、を明らかにすることを試みた。2023年と2024年の4月~10月において、フェロモントラップとビーティングにより1週間毎にカメムシの個体数を種別に調査した。また、2024年産種子を対象に口針鞘の有無、発芽率、有胚率を調査した。その結果、採種園での優占種であったチャバネアオカメムシでは、4月下旬からみられ始め、7月にピークを迎え、7月下旬には世代交代が始まっていた。また、口針鞘は袋掛けしなかった種子のみで確認され、その割合は44%に達し、有胚率は袋掛けした種子に比べ約9割低下した。これらのことから、カメムシ類による加害は発芽率に大きな影響を及ぼしていることが示唆された。
著者氏名 ○中川湧太 ・ 八瀬順也
著者所属 兵庫県立農林水産技術総合センター森林林業技術センター
キーワード 種子生産, 吸汁性昆虫, 世代交代
Key word seed production, sucking insect, alternating generations