第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 16:45 |
会場名 | N23 |
講演番号 | F-20 |
発表題目 | スギにおける乾燥ストレス応答性遺伝子発現と発現マーカー遺伝子 Drought stress responsive gene expression and expressional marker genes of Japanese cedar |
所属 | 森林研究・整備機構 |
要旨本文 | 気候変動の進行に伴い無降水期間が長期化するなど降雨パターンが変化しつつある。乾燥ストレス条件下でも健全で安定した成長を維持する系統を選抜することは、林木育種における重要な課題である。林木においても乾燥ストレスに耐性のある育種素材を確実かつ効率的に選抜するうえで分子マーカーの導入が期待される。スギ(Cryptomeria japonica)は温暖で湿潤な立地でよく成長し、乾燥ストレス条件への反応に種内変異が見られる。本研究では、多数のスギの系統の生理学的特性と遺伝子発現プロファイルを灌水条件および乾燥ストレス条件下で複数年にわたり解析し、乾燥応答遺伝子群を抽出し、脱水に対する遺伝子発現応答に基づいて挿し木苗の生理学的状態を評価できる遺伝子発現マーカーを開発した。灌水停止後期にはモデル植物の乾燥応答遺伝子の相同遺伝子の顕著な発現上昇が検出された。また、乾燥に対する挿し木苗の生理学的反応と相関のある遺伝子発現を捉えられる中規模および小規模の発現解析プラットフォームを開発した。これらの結果は、遺伝子発現解析によりスギの環境適応性評価が可能であることを示す。 |
著者氏名 | ○永野聡一郎1 ・ 能勢美峰1 ・ 高島有哉1,2 ・ 松下通也1 ・ 平岡裕一郎1,3 ・ 平尾知士1,4 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場 ・ 3静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部 ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林バイオ研究センター |
キーワード | 乾燥ストレス, 種内変異, 網羅的遺伝子発現, 発現変動遺伝子, 光合成 |
Key word | drought stress, intraspecific variation, transcriptome, differentially expressed genes, photosynthesis |