第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 9:45 |
会場名 | N23 |
講演番号 | F-4 |
発表題目 | 葉面吸水と高温順化による難発根性スギ挿し木品種の発根促進 Promotion of rooting for Cryptomeria Japonica by foliar water absorption and high-temperature acclimation. |
所属 | 佐賀県林業試験場 |
要旨本文 | 第二世代精英樹の中から選抜した新品種サガンスギ(特定母樹)は、生長、材質、雄花着花量といった植栽後の形質を優先させたため、発根特性については従来の品種に劣る。 近年、樹木は葉面から吸水することが明らかになっており、施設を用いて環境を制御し発根を促進させるエアざし(特許技術)も九州では開発されている。また、植物は光合成産物を利用して成長するため、葉面から吸水させながら光合成を促進させれば発根するという仮説のもと研究に取り組んだ。一方、挿し木育苗の現場では、カルス形成を経ることで穂の状態が安定し、枯死率が下がることを苗木生産者が経験的に知っている。 本発表では、遮蔽なしの環境下において、高頻度の散水による葉面吸水と段階的に温度を上昇させ、穂を高温に順化させることで発根率を高める研究について、2017年から2022年にかけて取り組んだ内容を報告する。得られた研究成果から、採穂時の穂の切断、カルス形成、発根という穂の形態の変化に対応させ、STEP1:切断覚知時期、STEP2:カルス形成時期、STEP3:発根促進時期と整理して、それぞれのSTEPに適した温度と合わせて、サガンスギの発根促進技術として普及している。 |
著者氏名 | ○江島淳 |
著者所属 | 佐賀県林業試験場研究開発 |
キーワード | 挿し木, 葉面吸水, 高温順化 |
Key word | cutting propagation, foliar water absorption, high-temperature acclimation |