第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:30
会場名 N23
講演番号 F-6
発表題目 スギ交配系統の若齢期における成長および材質と優良候補木の選抜
Growth and wood properties of mating families in Japanese cedar at young stage and selection of superior tree candidates
所属 静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター
要旨本文  林業の再生や地球温暖化対策に貢献するため、エリートツリーの選抜や特定母樹の開発が進められている。育種的な改良を図る場合、優れた親どうしで交配系統を作出し、検定の後、優良個体を選抜することが基本的な手法となる。新たな優良系統を選抜するため、森林総合研究所林木育種センターが開発したエリートツリー、静岡県の第一世代精英樹、そのF1、無花粉遺伝子をヘテロで保有する系統等を親としたスギ交配系統のコンテナ苗を、2015年に静岡県の天竜地域と富士地域に植栽して育種集団林を造成した。植栽から10成長期後の樹高、胸高直径、応力波伝播速度、ピロディン貫入量の調査により得られたデータから狭義の遺伝率を求めたところ、材質の指標である応力波伝播速度やピロディン貫入量の値が樹高や胸高直径の値よりも大きかった。また、樹高と胸高直径から求めた材積と応力波伝播速度について、林内の植栽場所の影響を補正したうえで血縁関係から遺伝的な能力を推定する「育種価」を算出し、その偏差値で上位の個体の中から、根元や幹の通直性に優れ、雄花着生指数の低いものを選んだ。さらに特定母樹指定基準と照合した上で優良候補木を選定した。
著者氏名 ○袴田哲司1 ・ 松下通也2 ・ 高橋優介2 ・ 武津英太郎2 ・ 高島有哉3 ・ 平岡裕一郎4 ・ 三浦真弘5 ・ 田村明2
著者所属 1静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場 ・ 4静岡県立農林環境専門職大学 ・ 5国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター西表熱帯林育種技術園
キーワード 材積, 応力波伝播速度, 通直性, 候補木
Key word wood volume, stress wave propagation velocity, straightness, candidates