第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:00
会場名 N21
講演番号 G-1
発表題目 スキャナー法と深層学習を用いた細根フェノロジー解析システム:成果と課題
System for analyzing tree fine root phenology using scanner and deep learning: achievements and challenges
所属 兵庫県立大学
要旨本文 樹木の細根成長は森林の純一次生産の2割以上に及ぶとされ,その成長と枯死の理解は樹木の栄養吸収や森林の炭素循環の把握に重要である.従来細根を観測するには同じ対象に対して連続的な測定が行えないという問題があったが,スキャナー法と深層学習を用いた細根抽出プログラムARATAの開発により連続的に細根を観測し,大量の画像データを画像解析することが可能となった.そこで我々研究チームは日本各地にスキャナーを設置し,樹木細根のフェノロジーを解明するためのデータ自動収集・共有システムの開発などを行ってきた.本研究の目的は,多地点のスキャナー画像に対してARATAを適用した場合の細根動態データの精度検証を行い、ARATAの改良を検討することにある.そのため、これまでにスキャナー法を用いて収集されてきた各研究地からの画像をARATAで解析したところ,細根の抽出精度の高い地点や樹種を特定することができた.また,ARATAの精度が比較的低い地点でもおおよその細根変動のパターンを把握できることも分かってきた.さらにスキャナー法やARATAの現行モデルが抱える問題点,新規学習の必要性なども特定することができた.
著者氏名 ○森健介1 ・ 池野英利2 ・ 檀浦正子3 ・ 平野恭弘4 ・ 野口享太郎5 ・ 小林元6 ・ 大橋瑞江1
著者所属 1兵庫県立大学環境人間学部 ・ 2福知山公立大学情報学部 ・ 3京都大学大学院農学研究科 ・ 4名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 5国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域 ・ 6信州大学農学部
キーワード 樹木細根, フェノロジー, 深層学習
Key word Tree fine roots, Phenology, Deep learning