第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 9:15 |
会場名 | N21 |
講演番号 | G-2 |
発表題目 | 山岳域において樹木の葉と根の非構造性炭水化物の季節変化は連動するのか? Linkage between seasonal variation of leaf and root non-structural carbohydrates in subalpine forests |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 本研究は亜高山帯林において、樹木の生理機能に重要な役割を果たす非構造性炭水化物(NSC)の季節変化が葉と細根(直径<2mm)でどのように連動するのか明らかにすることを目的とした。長野県に位置する乗鞍岳の標高2000mと高木限界である2500mで調査を行った。2000mに比べ2500mでは気温と地温が低い故に成長期は短く、土壌は貧栄養である。常緑針葉樹のオオシラビソと落葉広葉樹のダケカンバを対象樹種とした。各標高において春(展葉期)から秋(落葉期)にかけて葉と細根の糖濃度とデンプン濃度の季節変化を評価した。結果、オオシラビソの葉の糖濃度は春に低く、夏に高く、秋に低くなった。オオシラビソの細根の糖濃度は春に高く、夏に低くなり、秋に高くなった。一方、ダケカンバの葉の糖濃度は春に低く、夏に高く、秋に低くなった。ダケカンバの細根の糖濃度は春に高く、夏に低く、秋においても低い値が維持された。調査期間を通じて葉と細根の糖濃度はデンプン濃度に比べて高く、総NSCに占める糖の割合は常時高かった。本発表では、標高差にも注目し、葉と細根のNSCの季節変化とそれらの関係性を議論する。 |
著者氏名 | ○橋本裕生 ・ 増本泰河 ・ 高橋耕一 ・ 牧田直樹 |
著者所属 | 信州大学大学院総合医理工学研究科 |
キーワード | 可溶性糖, デンプン, オオシラビソ, ダケカンバ, 標高差 |
Key word | Soluble sugar, Starch, Abies mariesii, Betula ermanii, Elevational difference |