第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:30
会場名 N21
講演番号 G-3
発表題目 ミズナラ・コナラ苗の木部形成と通水の季節変化
Phenology of wood formation and water conduction in decidous oak seedlings..
所属 東京大学
要旨本文  環孔材樹種では、春に早材(孔圏)の大径道管が形成されてから展葉が起きること、孔圏道管では夏季の乾燥ストレスや冬季に凍結融解時の気泡の発生によるエンボリズム(通水阻害)が生じて翌春には通水機能を失っていることが知られている。しかし、旧年輪の晩材(孔圏外)の道管の通水への寄与や、当年の道管形成過程とその通水への寄与がどのように季節変化するかは明らかにされていない。 そこで、ミズナラとコナラの道管形成のフェノロジーと通水機能の季節変化を明らかにするため、苗木を用いて、4月から10月まで毎月1回、酸性フクシン染色により通水経路の可視化を行うとともに、樹幹を液体窒素で凍結してサンプリングし、クライオSEM(低温走査電子顕微鏡)を用いて、水で満たされた道管と空洞化した道管の分布を観察した。 観察の結果、4月から6月までは前年晩材と当年早材の道管が主に通水していたが、7月以降は前年の道管と当年早材の道管が次第に空洞化する一方、当年晩材の通水への寄与が増加していた。
著者氏名 ○福田健二1 ・ 馬場森寛1 ・ 舟川馨1 ・ 平川雅文1 ・ 鎌田直人2
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林
キーワード MRI, クライオSEM, 道管, エンボリズム, 酸性フクシン
Key word MRI, cryo-SEM, vessl, embolism, acid fuchsin