第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 9:45 |
会場名 | N21 |
講演番号 | G-4 |
発表題目 | 常緑針葉樹4種における冬季の光化学系タンパク質の変動と光化学系の応答 Seasonal Variations in Photosystem Proteins and Photosynthetic Responses in Four Evergreen Conifer Species During Winter |
所属 | 北海道立総合研究機構林業試験場 |
要旨本文 | 寒冷地の常緑植物は、冬季の低温・強光下で光化学系に生じる余剰の光エネルギーを熱として放散する必要がある。この熱放散(持続的熱放散)の分子メカニズムには様々な仮説があり、光化学系IIの分解を伴う光阻害や、Zeaxanthinによる熱放散、Early light-induced protein (ELIP)による熱放散などが提唱されている。本研究では光環境と種間の比較からそれぞれの仮説を検討した。森林総合研究所北海道支所(札幌市)の圃場にて、対照区と遮光区(透過率10%)で常緑針葉樹4種(アカエゾマツ、エゾマツ、トドマツ、イチイ)の苗木を1年間調査した。いずれの光条件・種においても冬季の光化学系II最大量子収率Fv/Fmの低下(持続的熱放散の誘導)は確認されたが、総クロロフィル量は年間を通じて比較的安定しており、光化学系の大部分は分解されずに維持されていることが示唆された。遮光区ではFv/Fmの低下が遅れるだけでなく、種によって低下幅に差異があり、光条件・種によって持続的熱放散のメカニズムが異なることが示唆された。さらに光化学系サブユニットやELIPなど関連のあるタンパク質の蓄積量を詳細に解析し、Fv/Fmとの関連を調べた結果を報告する。 |
著者氏名 | ○成田あゆ1,2 ・ 小野清美2 ・ 岸本純子2 ・ 高林厚史2 ・ 菅井徹人3 ・ 北尾光俊3 ・ 田中亮一2 |
著者所属 | 1北海道大学大学院環境科学院 ・ 2北海道大学低温科学研究所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 |
キーワード | 常緑針葉樹, 光化学系, 冬季の適応 |
Key word | Evergreen conifers, Photosynthetic system, Winter acclimation |