第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 10:00 |
会場名 | W109 |
講演番号 | H-4 |
発表題目 | 北アルプス立山における温暖化と森林帯の上昇 Temperature warming and forest zone shift on Northern Alps Tateyama, Central Japan |
所属 | 富山県農林水産総合技術センター 森林研究所 |
要旨本文 | 北アルプス立山のブナ坂(標高1090m 温帯林)、上ノ小平(1430m 移行帯林)、松尾峠(1970m 亜寒帯林)、鏡石(2250m 森林限界)の1998年から現在2024年に至るまでの森林動態と温暖化の関係について検討した。胸高断面積合計はいずれの調査区も調査期間中、時間の経過とともに増加していた。構成種群の胸高断面積合計に着目すると温帯と亜寒帯の樹種が混交する上ノ小平調査区では、温帯要素の樹種で増加していたのに対し、亜寒帯要素の樹種では減少していた。特にオオシラビソでは調査開始時点で全直径階で立枯木が多く観察され、当時の生残個体も調査期間中の枯死率が5割に達した。気候値メッシュファイル(基準年1987年)で計算すると上の小平は移行帯の範囲内であるが、黒部ダムの温度上昇が各調査区で同様であったと仮定 すると1980年代後半で55℃・月を超え調査時点で、すでに温帯域であったと推定された。 上ノ小平でのオオシラビソの調査開始時期の立枯木の多さや、生き残ったオオシラビソの死亡率 の高さ、温帯要素の成長量の増加から、温暖化によって森林帯が上昇している可能性は否定でき ないといえた。 |
著者氏名 | ○石田仁1 ・ 中島春樹1 ・ 大宮徹1 ・ 久米篤2 |
著者所属 | 1富山県農林水産総合技術センター森林研究所 ・ 2九州大学大学院農学研究院 |
キーワード | Warmth index, ecotone, long term monitoring |
Key word | 温量指数, 移行帯, 長期モニタリング |