第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 11:00 |
会場名 | W109 |
講演番号 | H-7 |
発表題目 | ミズナラが豊作に至る途は1つではない:19年間の種子トラップデータの解析 Multiple pathways to mast seeding in Quercus crispula: analysis of 19 years of seed trap data |
所属 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
要旨本文 | 奥日光の千手ヶ浜で1994〜2012年の19年間、故金指達郎氏は、ミズナラ13個体の雌性繁殖器官(雌花・堅果)の落下量を調査された。その貴重なデータを解析し、演者が生前の金指氏から直接うかがったアイデアも踏まえつつ、ミズナラの豊作・凶作がどのような気象条件に関わっているかを探索した。雌花の開花数と最終的な成熟堅果数が相関していなかったことから、堅果の豊凶は開花後のプロセスに左右されていることが示された。開花後のプロセスは、(I)雌花受精前、(II)受精〜子葉発達開始前、(III)子葉発達開始〜成熟堅果の、大きく3つのステージに分けられる。雌花から成熟堅果までの数の減少過程を分析すると、ステージIIでの減少度合いが豊凶を大きく左右していた。複数見られた豊作年の気象条件は、4月の気温が高い年、7月の気温が高い年、あるいは4月の降水量が多い年など、それぞれ異なっていた。一方、凶作年には、7〜8月の降水量が多い傾向が共通してみられた。どうやらミズナラの豊作をもたらす気象条件は単純ではなく、さまざまなパターンが存在するらしい、というのが現時点の結論である。 |
著者氏名 | ○正木隆 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所企画部 |
キーワード | ミズナラ, 豊凶, 日光千手ヶ浜, 開花後の雌性繁殖機関の生存 |
Key word | Quercus crispula, masting, Nikko Senju, Survival of female reproductive organs after flowering |