第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月22日
開始時刻 14:30
会場名 N13
講演番号 I-12
発表題目 地形の異なる丘陵地において火山灰が土層発達と土壌特性に及ぼす影響
Influence of volcanic ash to the development and charcteristics of soil layer on the hilly terrain with different forms
所属 森林総合研究所
要旨本文 本研究は、間欠的に供給された火山灰が、丘陵地斜面の長期的な土層発達に対してどのように影響しているのかを調べた。調査地域は、茨城県常陸太田市の花崗岩を基盤とする斜面であり、この地域に降下した火山灰の主な供給源は、西方に位置する日光火山群や赤城山である。調査地域のなかから、地形特性が異なる近接したA斜面とB斜面を選定した。A斜面は尾根と谷の比高の小さな緩傾斜地であるのに対して、B斜面は急傾斜で、その周辺に表層崩壊の発生跡が観察された。土層厚の調査から、地表面から花崗岩C層までの最大深度は、A斜面で5.6 m程度に対して、B斜面で1.2 m程度であった。A斜面は火山灰の風化物と花崗岩由来の土粒子に覆われていたが、B斜面は花崗岩由来の土粒子だけであった。花崗岩由来の土粒子は透水性の良い砂質の性質を示し、風化した火山灰は透水性の悪い細粒で粘着質な性質へ変化していた。活発な土砂輸送プロセスが生じているB斜面に降下した火山灰は、風化することなく、速やかに斜面から流去した可能性がある。その一方で、A斜面に降下し、風化した火山灰は、侵食などに対する抵抗性を得たことで、土層発達に影響を及ぼした可能性がある。
著者氏名 ○渡壁卓磨1 ・ 山下尚之2 ・ 大貫靖浩2 ・ 鈴木孝典3
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域 ・ 3茨城県林業技術センター
キーワード 土層厚, 斜面, 風化, 花崗岩
Key word soil layer, hillslope, weathering, Granite