第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 9:45 |
会場名 | N13 |
講演番号 | I-4 |
発表題目 | 花崗岩からなる森林流域における約25年間の渓流水質の変化 Changes in stream water quality in a forested watershed composed of granite over a period of about 25 years |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 大気由来の硫黄・窒素酸化物は森林生態系や渓流水質にも影響を及ぼすと考えられるが、森林や渓流水の長期的な観測に基づいて影響を評価した事例は少ない。そこで愛知県瀬戸市の白坂流域における25年間の水質データをもとに、特に硫酸と硝酸に着目し、森林の変化も考慮して渓流水質に及ぼしてきた影響について検討する。 白坂流域の3箇所の渓流水と降水を、1997年から2022年まで月1回採水し分析した。大気中の濃度は国立環境研究所環境展望台大気汚染常時監視データの愛知県尾張旭市のデータを用いた。 大気中の硫黄酸化物濃度の低下に伴い、降水・渓流水中の硫酸イオン濃度がともに低下した。大気中の窒素酸化物濃度は半分以下に減少したが、降水・渓流水中の硝酸イオン濃度にはそれに対応した低下は見られない。一方で2011~2012年頃に3箇所の渓流水中の硝酸濃度の上昇が見られ、2009~2014年に発生したナラ枯れとの対応が示唆される(Imamura et al., 2017)。ナラ枯れにより林分の窒素利用が減少し、渓流水中の硝酸イオン濃度は上昇したが、2021年頃にはほぼ被害前の水準まで低下した。大気由来の硫黄・窒素酸化物に対する渓流水質の応答の違いをみることができた。 |
著者氏名 | ○岸本光樹 ・ 浅野友子 |
著者所属 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
キーワード | 水質, 硝酸濃度, 硫酸濃度, 二次林, はげ山 |
Key word | water quality, nitrate concentration, sulfate concentration, secondary forest, bald mountain |