第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:00
会場名 N13
講演番号 I-5
発表題目 落葉広葉樹二次林における樹幹流と林内雨の水質
Water chemistry of stemflow and throughfall in a deciduous broad leaved forest
所属 島根大学
要旨本文 落葉広葉樹二次林において樹幹流と林内雨の水質を2023年秋から測定した。調査地は島根大学三瓶演習林の落葉広葉樹二次林長期動態調査地とした。調査地内の樹木10種に樹幹流採取装置を設置し,また林床に林内雨採取装置2基を設置した。原則として2週間おきに装置に貯留した雨水を回収し,イオンクロマトグラフでの無機イオン濃度分析,ICP-MSでの金属濃度分析に供した。調査地は尾根部と谷部からなり,尾根部の樹木6本と谷部の樹木4本に樹幹流採取装置を設置した。同様に林内雨採取装置を尾根部と谷部に1ヶ所ずつ設置した。樹幹流の無機イオン濃度はカチオン,アニオンともに尾根のアカマツが最も高い値を示した。金属濃度もアカマツ樹幹流で高くなる傾向にあった。広葉樹では尾根のアセビがマンガンや亜鉛などいくつかの金属元素で高い濃度を示した。樹幹流の観測対象とした10種の樹木のうちアカマツとアセビのみが平均でpH<5であり,プロトン濃度が他の樹種にくらべ高いことで多くの金属が溶出した可能性がある。尾根部と谷部を比較すると,無機カチオン濃度は同程度であったのに対し,無機アニオン濃度と金属濃度は尾根部で高い値を示した。
著者氏名 ○山下多聞1 ・ 入江菜紗2 ・ 葛西絵里香1 ・ 松本真悟1
著者所属 1島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター ・ 2島根大学大学院自然科学研究科
キーワード 金属元素, 溶脱, 林床
Key word Trace metals, Leaching, Forest floor