第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:45
会場名 N13
講演番号 I-7
発表題目 三瓶演習林の16年生スギ人工林地上部における金属元素蓄積
Trace metal accumulation in the aboveground biomass of young Japanese cedar plantation
所属 島根大学
要旨本文 スギ人工林の金属元素蓄積を明らかにするため層別刈取調査を行った。樹高11 m,胸高直径14 cmの16年生スギ1本を伐倒した後,地上部現存量及び器官別物質濃度を測定した。伐倒した個体は樹幹の地上高を基準に1 mごとに切り分けて,樹幹,枝,針葉に分別した。幹はさらに外樹皮,内樹皮,辺材,心材に分別した。分別された各器官等の乾燥重量を測定した後,ミルで粉砕し分析に供した。粉砕試料は湿式灰化の後,多量必須元素のPと金属元素Al,Mn,Fe,Pbの濃度をICP-MSによって測定した。調査対象とした個体のバイオマスは,幹重が32 kg,枝重が4 kgそして葉重が11 kgであった。バイオマス全体の25%を同化器官である針葉が占めていた。針葉のP濃度は下層の葉に比べ上層で高い値を示したのに対し,Al濃度とFe濃度は下層の針葉で高い値を示した。針葉に配分された元素量はP,Mn,Alについては全体の60%以上であったが,FeとPbは全体の30〜40%であった。非同化器官である枝と樹幹では枝に配分される元素が多い傾向にあった。樹幹にあっては外樹皮に多くのAlとFeが配分された。これらの結果とリターフォールや表層土壌の分析結果を基に林分単位での重金属の物質循環を考察する。
著者氏名 ○穴澤颯馬1 ・ 入江菜紗2 ・ 山下多聞3
著者所属 1島根大学生物資源科学部 ・ 2島根大学大学院自然科学研究科 ・ 3島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター
キーワード 同化器官, 層別刈取, 黒色土
Key word Assimilatory organ, Stratified clip method, Black soil