第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 14:15
会場名 S21
講演番号 J-10
発表題目 数値シミュレーションを用いた岩盤地下水が流出水量に与える影響の検証
Validating effects of bedrock groundwater on discharge hydrograph by using numerical simulation
所属 京都大学
要旨本文 山地流域において高密度の基岩内ボーリングを活用した地下水の観測事例が積み重ねられ、降雨流出過程に基岩層が果たす役割が解明されつつある。第一に地下水面変動と基底流出波形の類似性から、山体に貯留された岩盤地下水が基底流出を涵養していること、第二に基岩コアの物理試験から、基岩層は降雨を十分に浸透・貯留させられる間隙を有していることが明らかとなった。しかし、基岩の物理性や地下構造が流出を形成するプロセスを定量的に解明するには、土壌層から基岩層までを連続的に扱ったモデルでの検討が不可欠である。本研究ではHYDRUS-2D/3Dソフトウェアを用いて実際の流域を模したモデルに様々な地下構造を設定することで、流出波形にどのような差が出るのかを検討した。実際のボーリング結果に基づく地下構造を与えて計算を行ったところ、実測流量に近いハイドログラフが出力された。基岩層の保水・透水性を高く設定するほど、基底流量が長時間維持される傾向があることがわかった。また、流出波形でみられる二次ピークの形成には、基岩内の緩やかな浸透過程に加え、透水性の高い層(破砕帯等)が組み合わさった地下構造が影響していることが示唆された。
著者氏名 ○正岡直也 ・ 小杉賢一朗
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 岩盤地下水, 山地流域, 花崗岩, 透水係数, HYDRUS
Key word bedrock groundwater, mountain catchment, granite, hydraulic conductivity, HYDRUS