第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:45
会場名 S21
講演番号 J-15
発表題目 竹林の遮断蒸発はなぜ少ないのか?-付着水分量の推定-
Small canopy interception loss in bamboo forests - estimates of canopy storage capacity-
所属 宮崎大学
要旨本文 モウソウチク林の遮断蒸発率(遮断蒸発量 / 降水量)は,密度によらず小さいことが広く知られているが,その要因は十分に明らかになっていない。また,モウソウチク林以外の竹林において遮断蒸発が計測された例は少ない。本研究では,宮崎大学木花キャンパス内のマダケ林において,約2年間にわたり遮断蒸発の計測を行った。また,稈齢の異なる10本を伐倒し,葉・枝・稈のそれぞれで,付着できる最大の水分量(付着水分量)の計測を行った。マダケ林における遮断蒸発率は,プロットあたりの竹稈流の推定方法により若干の差はあるものの,10~15%程度となり,モウソウチク林同様に,他の森林タイプと比較し小さくなった。林分あたりの水分貯留量は約0.4 mmと推定された。葉,枝,稈の貯留量は,それぞれ全体の約40%, 20%, 40%を占めていた。林分あたりの付着水分量は,同様の方法で計測されたスギ林よりも小さく,特に幹(稈)の付着水分量の差が大きかった。このように,竹林で小さな遮断蒸発率が計測されることは,稈が水分を貯留しにくい構造であることに大きく起因している可能性がある。
著者氏名 ○篠原慶規1 ・ 木村健人2
著者所属 1宮崎大学農学部 ・ 2宮崎大学大学院農学研究科
キーワード 樹冠遮断, 水分貯留, 稈
Key word rainfall interception, canopy storage, stem