第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:15
会場名 S21
講演番号 J-2
発表題目 流木の流下,堆積過程の数値シミュレーション
Numerical Simulation of Large Woody Debris Transport and Deposition Processes
所属 (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所
要旨本文 流木は河川生態系に重要な役割を果たす一方で,災害時には甚大な被害を及ぼす。両者のトレードオフを評価し,適切な流木管理を行うためには,流木の流下,堆積過程を予測することが重要である。そこで,流木の流下,堆積過程を物理的に評価する数値シミュレーション手法を構築し,平成30年北海道胆振東部地震において,厚真川水系ハビウ川流域で発生した斜面崩壊に伴う流木の供給と流下,堆積過程を対象として再現計算を実施した。地震発生前の2016年のDEMデータを用いて,既往研究において示されている斜面崩壊の範囲,発生流木本数などを初期条件として与え,流下後の流木堆積箇所を実際の結果と比較した。なお,地震前後のDEMデータの差分解析では十分な精度が得られないため,斜面崩壊深は一律1,2,3mで与えた。計算は,土砂の内部摩擦角,堆積速度係数,流木再侵食に関する係数を変化させて行った。流域を上,中,下流域,流域外の4つに区分し,それぞれの流木堆積本数誤差の総流木本数に対する比の平均を算出したところ,最も再現性の低い条件でも0.1程度,最も再現性の高い条件は0.02程度であり,構築した数値シミュレーション手法の再現性の高さが示された。
著者氏名 ○鈴木拓郎1 ・ 經隆悠1 ・ 厚井高志2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 2北海道大学広域複合災害研究センター
キーワード 流木, 数値シミュレーション, 堆積過程
Key word Large Woody Debris, Numerical Simulation, Deposition Process