第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:45
会場名 N21
講演番号 K-1
発表題目 山地区分と林道損壊の関係
Relationship between mountainous areas and damage to forest roads
所属 鳥取県林業試験場
要旨本文 近年、災害をもたらす強い雨の頻度が増加している。一方、主伐再造林の推進により森林伐採や路網開設の機会も増加している。しかし、山地には災害の発生しやすい場所が存在し、地形の改変を伴う森林路網の開設が災害発生の誘因となる可能性が懸念される。この問題を解明するため、既設林道の施設災害履歴と山地区分との関係を検討した。山地をCS立体図等の微地形図の判読により、侵食域、非侵食域、侵食移行域、堆積・渓流域の4区分に分類した。さらに、既設林道毎に林道延長に対する各山地区分の割合を算出し、施設災害の件数等との比較を行った。また、現地調査を実施し、個別の施設災害箇所と山地区分の位置関係を確認した。結果として、侵食域及び侵食移行域の割合が高い路線ほど施設災害が発生しやすく、1路線あたりの発生件数も増加することが判明した。現地調査では、多くの災害が侵食域又は侵食移行域で発生しており、災害規模が大きい傾向にあることが確認された。このことから、侵食域及び侵食移行域に路網を開設することが災害リスクを高めると考えられる。以上により、山地で路網を開設する場合には、非侵食域を選択することが望ましいことが判明した。
著者氏名 ○矢部浩
著者所属 鳥取県林業試験場
キーワード 山地区分, 林道, 侵食域
Key word mountainous areas, forest roads, erosion area