第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 9:00
会場名 S22
講演番号 L-1
発表題目 白山における自動撮影カメラによるニホンジカの侵入状況調査2024年
Survey of sika deer invasions in the subalpine to alpine zone of Mt. Hakusan using camera traps 2024
所属 石川県白山自然保護センター
要旨本文 石川県では,ニホンジカCervus nippon(以下、シカ)は1900年はじめごろから100年ほどほぼ生息していない状態だった。近年は低標高地で分布・個体数とも拡大してきており,高山帯を有する白山国立公園においても,2013年に亜高山帯の南竜ヶ馬場周辺で、2016年,2019年に高山帯で各1回目撃されている。2023年には白山北部の高山帯登山道沿いに自動撮影カメラ4台を設置したところ,8月から10月にかけて3回撮影され,シカが低頻度であるものの安定的に高山帯に侵入していることが示唆された。そこで,2024年の調査では白山北部以外へのシカの侵入状況および,お花畑の利用の有無を調査することを目的として自動撮影カメラ(主にTREL 18J-DS)の設置範囲を拡大して調査を行った。その結果白山北部以外でも数回程度シカが確認される地点があった一方で,お花畑での撮影回数も数回程度で継続的な採食利用はみられず,高山帯利用の初期段階であると考えられた。なお,本調査は林野庁近畿中国森林管理局石川森林管理署とのニホンジカの共同調査の一環とし実施し,また,環境省白山自然保護官事務所とも協力しながら行ったものである。
著者氏名 ○近藤崇 ・ 岩本華奈
著者所属 白山自然保護センター
キーワード シカ, 高山帯, お花畑, 登山道
Key word deer, alpine, alpine meadow, mountain trail