第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 14:15 |
会場名 | S22 |
講演番号 | L-10 |
発表題目 | マツノザイセンチュウと在来近縁種の共存下における個体群動態 Population dynamics under the coexistence of Bursaphelenchus xylophilus and its related species |
所属 | 明治大学 |
要旨本文 | マツ材線虫病の病原体マツノザイセンチュウ(マツノザイ)は北米原産の外来種であり、国内で分布を拡大してきた。その近縁種であるニセマツノザイセンチュウ(ニセマツ)は日本の在来種で、マツノザイと雑種形成することが室内実験で示されている。また、2023年度の本学会大会において、演者らは国内の野外環境下で雑種が存在することを報告した。本研究では、同一の調査地における雑種や親種個体群の時間的変化を調査するため、ゲノムワイドなジェノタイピング解析を前年度に引き続き行った。前年度は、17頭のカミキリムシから回収した線虫のうち119頭を解析し、そのうち4個体(3.4%)が雑種であることを明らかにした。今年度は16頭のカミキリムシから回収した線虫のうち167頭を解析し、うち3個体(1.8%)が雑種である可能性を明らかにした。さらに、昨年度検出された雑種のうち1頭、今年度検出された雑種のうち1頭は、F2以降であることが示唆された。両年で検出された雑種個体の割合は低いものの、野外下で雑種と親種の戻し交雑が進行すれば、遺伝子浸透によりマツ材線虫病の拡大に繋がる可能性がある。 |
著者氏名 | ○池田優月1 ・ 柳澤賢一2 ・ 石川直子3 ・ 陶山佳久3 ・ 新屋良治1 |
著者所属 | 1明治大学農学部 ・ 2長野県林業総合センター ・ 3東北大学大学院農学研究科 |
キーワード | マツ材線虫病, ニセマツノザイセンチュウ, 外来種, 種間交雑, ジェノタイピング |
Key word | pine wilt disease, Bursaphelenchus mucronatus, invasive species, Interspecific hybridisation, genotyping |