第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:45
会場名 S22
講演番号 L-15
発表題目 ナラ枯れ被害後の林分における林冠構造の変化
Canopy structure changes in a forest stand after Japanese oak wilt.
所属 東京農工大学
要旨本文 1980年代以降、日本海側を中心に発生したナラ枯れ被害は、現在も拡大傾向にある。しかし、ナラ枯れが森林生態系に与える影響については不明な点が多く、ナラ枯れ被害後の林分の発達を予測することは、森林管理において重要であるといえる。林冠は、光をめぐる競争が反映されて形成されることから、ナラ枯れにより林冠形成木が集団枯死した場合、森林内の林冠構造が大きく変化することが考えられる。本研究では、ナラ枯れ前後の樹冠投影図と毎木調査のデータを用いて、ナラ枯れ被害後の林分における林冠構造の変化を明らかにすることを目的とした。東京都八王子市に位置するコナラ優占林にて2005年と2024年に樹冠投影図を作成し、2020年に発生したナラ枯れ被害前後の林冠構造の解析を行った。調査の結果、ナラ枯れは、林分内におけるコナラのバイオマスを著しく減少させた。一方で、ナラ枯れ被害後におけるコナラの樹冠面積の減少量では、有意な差がみられなかった。したがって、本調査林分では、ナラ枯れによってコナラのバイオマスは減少したが、コナラ生存木が樹冠を急速に回復させ、林冠を維持したことが示された。
著者氏名 ○奥山雅隆1 ・ 深町篤子2 ・ 吉田智弘3
著者所属 1東京農工大学大学院農学府 ・ 2東京農工大学大学院連合農学研究科 ・ 3東京農工大学農学部FSセンター
キーワード ナラ枯れ, 林冠, カシノナガキクイムシ
Key word Japanese oak wilt, canopy, Platypus quercivorus