第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 16:15 |
会場名 | S22 |
講演番号 | L-16 |
発表題目 | コナラの豊凶に6月の気温が影響する?ハイイロチョッキリ羽化との関係 How does the adult emergence of Cyllorhynchites ursuluson the annual variability of acorn production of Quercus serrata? |
所属 | 京都府立大学大学院 |
要旨本文 | 植物の開花から結実に至るプロセスでは、気象や養分条件が関与する生理的な脱落とともに、種子食昆虫の加害による脱落なども起こり、それらが種子生産の年変動にも関わると考えられる。京都市近郊二次林のコナラにおいて2014年から2024年の11年間、開花から結実に至る脱落要因やその量を調べた。成熟健全堅果の生産量は大きく年変動しており、その年変動にはハイイロチョッキリの吸汁や産卵といった堅果への加害が大きく影響し、結実率に最も影響する気象要因はハイイロチョッキリの羽化時期である6月の気温となっていた。11年間のデータを解析すると、6月の気温が高いほど、ハイイロチョッキリの影響は小さくなり、結実率が高くなる傾向がみられた。ハイイロチョッキリの幼虫を5月終わりから恒温器にいれ温度をコントロールして飼育すると、6月の温度により羽化時期が大きく変化した。また高温になると羽化率が低下する傾向もみられた。コナラの開花量の年変動は小さく、主要な種子食昆虫であるハイイロチョッキリの気象要因による羽化のタイミングや羽化率の変化が、コナラの成熟健全堅果の生産量の年変動を決定づけている可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○平山貴美子1 ・ 北村千咲2 ・ 山本晴登2 |
著者所属 | 1京都府立大学大学院生命環境科学研究科 ・ 2京都府立大学生命環境学部 |
キーワード | 種子生産, 豊凶, 種子食昆虫, 散布前種子捕食 |
Key word | acorn production, masting, seed-feeding insect, predispersal seed predation |