第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 17:00
会場名 S22
講演番号 L-19
発表題目 早期落葉が潜葉性害虫に与える影響 ―もし早期落葉しなかったらー
Influence of early leaf abscission on the survivorship of a leaf miner Trachys yanoi
所属 山梨県森林総合研究所
要旨本文 ヤノナミガタチビタマムシ(タマムシ科)はケヤキの害虫で、幼虫は葉に潜入し内部を食害、成虫は葉を外部から食害する。幼虫が潜葉するとケヤキは早期に落葉する。この早期落葉内で幼虫が蛹化、成虫となって落葉から脱出する。本害虫以外にも潜葉性害虫により早期落葉が起こる現象はよく知られており、この早期落葉が潜葉性害虫にプラスに働いているのか、マイナスに働いているのかが議論の分かれるところとなっている。ヤノナミガタチビタマムシについては、これまでの研究で、早期落葉の時期に雨が多いと落葉から発生する本害虫の数が減少することが分かっている。今回は、潜葉されたケヤキ葉柄の根元と枝を接着剤で貼り付け落葉を阻止し、この早期落葉しなかった葉(接着葉)と接着剤を付けなかった葉(非接着葉)における本害虫の発生状況を調査した。また、一部は、メッシュの袋で覆い、葉に寄生蜂がアクセスできない条件下で実施した。それぞれの葉を本害虫が羽化・脱出後に回収し、分解しながら、脱出孔、幼虫、蛹の殻や死体、寄生蜂等の有無について記録した。これらを基に、接着葉と非接着葉における成虫脱出率の程度や、寄生蜂の寄生率について報告する。
著者氏名 ○大澤正嗣 ・ 高栁達志
著者所属 山梨県森林総合研究所
キーワード ヤノナミガタチビタマムシ, 潜葉性害虫, 早期落葉, 生存, ケヤキ
Key word Trachys yanoi, leaf miner, early leaf abscission, survivorship, Zelkova serrata