第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 9:15 |
会場名 | S22 |
講演番号 | L-2 |
発表題目 | 斜面崩壊後の木柵工と防鹿柵の設置が哺乳類利用頻度へ与える影響 Influence of wood fence and deer fence after slope failure on use of mammals |
所属 | 北海道大学 |
要旨本文 | 北海道胆振東部地震の斜面崩壊地で、生態学的遺産(レガシー)を用いた自然回復緑化が実施されて5年目の哺乳類の利用頻度をカメラトラップ法を用いて調査を行った。自動撮影カメラは2024年7月から2024年9月にかけて設置した。斜面崩壊後、手を加えていないコントロール区、防鹿柵のみ設置した処理区、防鹿柵と木柵工を組み合わせた処理区の3つの区画タイプ間で種ごとの哺乳類の利用頻度の比較を行い、 自然回復緑化による影響を評価した。防鹿柵は電気柵(最下段は地上高30cm)を、木柵は震災で発生した倒木を使用した。カメラによる撮影ができた哺乳類種は、エゾシカ、アライグマ、エゾタヌキ、ネズミ類であった。鹿柵は、エゾシカとアライグマを排除する傾向が確認され、エゾタヌキは区画タイプによる影響を受けにくい可能性が示された。木柵の設置はネズミ類の利用頻度に有意な正の影響を与え、木柵の構造自体がネズミ類にとって移動経路としての役割を有している可能性が示された。斜面崩壊後に行われるレガシー活用緑化は、一部哺乳類の生息地選択に影響を及ぼすことが明らかとなった。 |
著者氏名 | ○高橋奈々1 ・ 本郷悠夏3 ・ 崎山智樹2 ・ 石山信雄2 ・ 揚妻直樹4 ・ 森本淳子2 |
著者所属 | 1北海道大学農学部 ・ 2北海道大学大学院農学研究院 ・ 3北海道大学大学院農学院 ・ 4北海道大学北方生物圏フィールド科学センター |
キーワード | 自然回復緑化, 木柵工, 防鹿柵, ネズミ類 |
Key word | natural revegetation, wood fence, deer fence, rodents |