第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 2025年3月22日
開始時刻 14:45
会場名 S32
講演番号 M-12
発表題目 コンテナ苗で発生したスギ赤枯病の病徴と発生地での防除事例
Symptoms of needle blight disease of Japanese cedar occurring in container seedlings and the control in the area
所属 島根県中山間地域研究センター
要旨本文 2021年8月中旬~9月下旬、島根県内コンテナ苗生産地5か所において、スギ赤枯病の発生が確認された。当年生苗と1年生苗(播種後概ね16か月の苗木)に確認され、1年生の病徴は裸苗と同様で胴枯型病斑を伴ったが苗全体の枯死は認められなかった。一方、当年生では胴枯型病斑は苗全体に拡大し最終的に苗が枯死し、本病に対して感受性が非常に高かった。スギ赤枯病が発生した場合、その圃場の苗木は全数廃棄することがほとんどである。生産地1か所では8月中旬時点では発病苗は僅かであったことから、防除による出荷が可能であるか検討した。新たな発病苗を随時除去し、8月下旬から生残する苗木にチオファネートメチル水和剤とマンゼブ水和剤を概ね10日間隔で計6回散布した。その結果、10月中旬には新たな発病苗はほとんど確認できなくなった。生残する健全苗の本病原菌の潜伏の有無を確認するため、10月22日から40日間、23℃の人工気象器内で約90本を培養したところ、すべての苗木に新たな病斑は形成されず、本病原菌の潜伏の可能性は低いと判断された。本病が発生しても、発病苗の除去と薬剤散布をすれば、本病原菌を駆除できる可能性が示された。
著者氏名 ○陶山大志1 ・ 市原優2 ・ 安藤裕萌3
著者所属 1島根県中山間地域研究センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード 溝腐病, サーコスポラ, パッサロア
Key word Cercospora canker, Cercospora, Passalora sequoiae