第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 2025年3月22日
開始時刻 15:30
会場名 S32
講演番号 M-14
発表題目 主要造林樹種から分離された暗色枝枯病菌の再評価
Re-evaluation of Guignardia canker causing fungi isolated from major plantation tree species in Japan
所属 森林総合研究所
要旨本文 暗色枝枯病は,子のう菌類 Guignardia cryptomeriae によって引き起こされるスギをはじめとした造林樹木の重要病害である.原因菌は枝の基部から感染し,壊死部が樹幹に達すると胴枯れや溝腐れ症状を引き起こす.本病は東北以南の広い地域で確認されるが,時に乾燥害などの気象害による水ストレスを誘因として壮齢木の集団的な枯損被害を引き起こすことで知られる.2000年代にG. cryptomeriae は,ボトリオスフェリア科菌類の複数の種を含む多系統群であり,系統によって病原性が異なる可能性が報告された.現在に至るまで原因菌の実態は明らかにされておらず,正確な判別や検出ができない状況が続いている.本研究では暗色枝枯病菌の分類学的整理を目的として,森林総合研究所の保存菌株と新たに分離された菌株について複数遺伝子座を用いた分子系統解析を行った.その結果,供試菌株は,Botryosphaeria 属,Lasiodiplodia 属,Neofusicoccum 属菌などの複数属種のボトリオスフェリア科菌のクレードに分かれ,G. cryptomeriae が複数系統に分かれることを示唆した先行研究を支持する結果となった.
著者氏名 ○服部友香子1 ・ 市原優2 ・ 安藤裕萌3 ・ 升屋勇人1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード 暗色枝枯病, スギ, ヒノキ, カラマツ, ボトリオスフェリア科
Key word Guignardia canker, Cryptomeria japonica, Chamaecyparis obtusa, Larix kaempferi, Botryosphaeriaceae