第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 2025年3月22日
開始時刻 10:00
会場名 S32
講演番号 M-4
発表題目 菌根から滲出する酵素の活性はアカマツ実生の成長に影響するのか
Enzyme activity secreted by ectomycorrhizas and its effect on the growth of Pinus densiflora seedlings
所属 東京農業大学大学院
要旨本文  アカマツ実生は、共生する外生菌根菌(以下菌根菌)種の違いによってその成長に差が生じる。菌根菌は細胞外酵素(以下酵素)を分泌することで土壌中の養分を分解し、吸収している。また、野外環境において菌根菌が分泌する酵素の種類やその活性は菌種によって異なることがわかっている。しかし、他の生物や土壌条件に影響を受ける野外環境では、単一の菌根菌種による酵素活性を正確に測定することは難しい。そこで本研究では、アカマツ実生の成長に差が生じる要因として菌根菌糸から分泌する酵素活性が関係していると想定し、単一の菌種を接種したアカマツ実生から酵素活性の測定を行った。キツネタケ属、テングタケ属、ヌメリイグチ属など10種類の菌株をそれぞれアカマツ実生に接種し、約2年生育した後バイオマス量を測定した。さらに、その菌根または細根から窒素やリン、炭素の分解に関わる5種類の酵素活性を測定した。その結果、菌根菌種が異なると酵素活性が異なり、菌根を形成することにより窒素の分解に寄与する酵素の活性が大きく増加することが分かった。さらに、酵素活性と実生のバイオマスとの関係について考察を行う。
著者氏名 ○吉岡隼人1 ・ 田中恵2
著者所属 1東京農業大学大学院地域環境科学研究科 ・ 2東京農業大学地域環境科学部
キーワード 細胞外酵素活性, ウラムラサキ, 養分分解能, 外生菌根菌, 実生苗
Key word extracellular enzyme activity, Laccaria japonica, nutrient degradative potential, ectomycorrhizal fungi, seedlings