第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | 10:15 |
会場名 | S32 |
講演番号 | M-5 |
発表題目 | 日本産マツ属の外生菌根菌埋土胞子群集の種構成と多様性パターン Pine-associated ectomycorrhizal fungal spore banks in Japan: Community composition and diversity patterns |
所属 | 東京大学大学院 |
要旨本文 | マツ属は北半球の森林で優占する樹木であり、土壌資源の利用は外生菌根菌(以下、菌根菌)との共生に依存している。一部の菌根菌は休眠胞子を形成し、埋土胞子として攪乱後の実生定着の主要な共生源となる。本研究では、日本列島に生息する7種のマツの森林を対象に、埋土胞子群集の種組成と多様性を調査した。30地点984土壌コアを用いてバイオアッセイを実施し、4,535根端の塩基配列を解析して53 OTU(操作的分類単位)を特定した。そのうち、マツ属特有のSuilloid菌が埋土胞子群集の50%以上を占め、特定の宿主亜属を好むことが明らかになった。一般化非類似性モデル分析により、気温が埋土胞子群集のターンオーバーに強く影響することが示された。また、気温は群集の多様性にも影響を与えており、温暖な島に生息するヤクタネゴヨウとリュウキュウマツでは多様性が一貫して低いことが確認された。さらに、序列化解析により、埋土胞子群集の種組成はマツの種ごとに異なることが示された。成木の菌根菌群集でも同様のパターンが確認されるため、宿主固有の群集構造が世代を超えて維持されることが示唆された。 |
著者氏名 | ○阿部寛史1 ・ Helbert Lim2 ・ 小泉敬彦3 ・ 村田政穂4 ・ 奈良一秀1 |
著者所属 | 1東京大学大学院新領域創成科学研究科 ・ 2インドネシア国立研究革新庁 ・ 3東京農業大学生命科学部分子微生物学科 ・ 4秋田県林業研究研修センター |
キーワード | 菌根菌, マツ属, 群集生態 |
Key word | Mycorrhizal fungi, Pinus, Community ecology |