第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
特用林産部門[Non-Wood Forest Products]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | 11:15 |
会場名 | N13 |
講演番号 | N-1 |
発表題目 | マツタケ山造成施業後の子実体発生 ー施業6年後の報告ー Production of Tricholoma matsutake fruitbodies after the forest management -Report after 6 years of management- |
所属 | 長野県林業総合センター |
要旨本文 | 国産マツタケの生産量は1960年代以降急減した。この一因には、戦後の燃料革命で未利用木質資源が林内に堆積して土壌の富栄養化が進み、マツタケの生育にとって不適になったことが挙げられる。マツタケ生産量の維持は、日本の伝統的食文化を継承するうえでも重要課題である。これまでに土壌の富栄養環境を貧栄養環境に改善するマツタケ山造成施業が各地で実施され、子実体発生に至ったとする報告も一部ある。しかし、それら報告の大半は詳細な施業記録を伴わず、科学的検証も十分ではないため、懐疑的な意見もある。 長野県安曇野市では市民らが中心となり、2018年からアカマツ林内の腐植堆積層除去、雑木除伐などの林地施業を行い、マツタケ山の復活を目指している。2024年秋季には、この施業地の一画でマツタケ子実体の発生(16本)を初めて確認した。同年冬季には、土壌B層にマツタケの菌根を含む菌糸体塊(シロ)が存在することをDNA解析で確認した。これらの結果から、マツタケのシロが少なくとも2.5mの範囲に拡がっていると判断した。施業によりシロが拡大し子実体発生に至ったと推察できるが、この関係解明には更なる調査が必要である。 |
著者氏名 | ○古川仁1 ・ 佐藤佳世子2 ・ 河合百々花2 ・ 長岡瑞穂2 ・ 小林清次3 ・ 飛田楓眞4 ・ 高橋和寿4 ・ 山田明義4 |
著者所属 | 1長野県林業総合センター ・ 2安曇野市 ・ 3よみがえれ!マツタケ! ・ 4信州大学農学部 |
キーワード | 菌根性きのこ, 森林資源管理, 美味なきのこ, 山地生態学, 特用林産物 |
Key word | Ectmycorrhizal fungus, Forest resource management, Gourment mushroom, Mountain ecology, Non-timber forest product |