第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PA-13
発表題目 林業事業体がもつ生態系サービスに関する価値観の把握
Grasping the values of ecosystem services held by forestry organizations
所属 森林総合研究所
要旨本文 近年、戦後造林木の成熟と共に皆伐が増加する一方、大雨といった極端現象の増加により森林がもたらす生態系サービスが損なわれるリスクが増大している。森林の生態系サービスの維持には、実際に森林施業に従事する林業従事者の意識様態とそれに伴う関与のあり方を明らかにすることが重要である。そこで本研究では、林業事業体がもつ“生態系サービスに関する価値観”を心理測定尺度によって把握した。また、施業地への配慮実態を確認し、価値観との関係性を検討した。生態系サービスに関する価値観は、既存尺度を参考にしつつ、一般市民を対象とした調査結果を踏まえて作成した。この質問紙を88の大分県認定林業事業体に郵送およびオンラインで配布し、回答を求めた。26の有効回答を分析すると、生態系を重視する意識が低い/高い事業体は同程度であり、一般傾向と共通していた。そして、環境問題に関心が高く、生態系サービスに関する価値意識が高い事業体は収益性を重視すると同時に、林地の崩れやすさを重視して施業する傾向があった。この結果は、生態系サービスを重視する林業事業体は実際の施業や施業地選定時にも配慮することを示している。
著者氏名 ○大塚啓太1 ・ 山田祐亮1 ・ 芳賀大地2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林管理研究領域 ・ 2鳥取大学農学部
キーワード 生態系サービス, 林業事業体, 心理測定尺度調査
Key word Ecosystem Service, Forestry Organizations, Psychometric Scale Survey