第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PA-17
発表題目 市民科学の視角からみた愛知県の市民参加型森づくりの現状と課題
Current Status and Challenges of Citizen-Participatory Forest Preservation in Aichi from a Citizen Science Perspective
所属 東京大学
要旨本文 愛知の市民参加型森づくりは、「産学官民」の協力モデルを基盤に、人工林や雑木林の整備、環境モニタリング、森林文化の保護、環境教育、人材育成など、多岐にわたる分野を網羅している。これらの活動は、森林資源の保護と再生を促進し、循環型社会の構築にも寄与している。しかし、データベースの構築やその科学研究への応用が十分とは言えず、市民データが高品質な成果に転換されておらず、参加者の長期的な参加意欲や動機に影響を及ぼしている。また、参加者層には偏りが見られ、高齢者が主な参加者となる一方で、若年層の行動者率が低下し、活動の持続可能性を脅かしている。さらに、コロナの影響で活動の柔軟性や危機対応能力の不足が顕在化した。デジタル技術はデータ精度や危機対応能力の向上に一定の効果を上げたものの、技術的障壁が低所得層や技術資源不足の地域に不平等な参加を招くリスクも指摘されている。これらの課題を克服し、市民科学と森づくりの相乗効果を高めるためには、データベースの構築と活用を強化し、科学研究や政策形成への影響力を増大させることが必要である。また、若年層の参加促進、デジタル技術の普及、平等な参加環境の整備が求められる。
著者氏名 ○黄璇
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
キーワード 市民科学, 市民参加, 森づくり
Key word citizen science, citizen participatory, forest preservation