第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PA-21
発表題目 「官報」に見る明治期日本のキノコ中毒事例
Cases of mushroom poisoning in Japan in the Meiji era reported in Official Gazette
所属 森林研究・整備機構 森林総合研究所 北海道支所
要旨本文 野生キノコには古くから食用とされてきた種がある一方で有毒な種も多く存在し、過去の中毒事例はキノコ利用の歴史を明らかにする上で重要である。しかし日本において、第二次世界大戦以前の個別のキノコ中毒事例に関する情報はあまり多くない。明治期の「官報」には種々の中毒事例が報告されていた時期があり、原因となった食品等の中にはキノコも含まれている。そこで、国立国会図書館デジタルコレクションを利用し、明治16(1883)年(官報の刊行開始年)から1930(昭和5)年までの全ての官報から中毒に関する情報を抽出した。1883年から1902年にかけて、官報上に185件の中毒事例が報告されており、菌類による中毒は55件報告されていた。事例報告の多くはキノコの名称や形態、中毒症状や患者の個人情報等も含む詳細なものであった。しかしキノコの記述があってもその種を現代の分類と対応させるのは困難であった。また1881-1887年の中毒統計も随時揭載されており、それによるとこの期間のキノコ中毒患者数は人口10万人あたり0.08-0.35人で推移していた。
著者氏名 ○高畑義啓
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
キーワード 毒キノコ, 中毒, 森林史
Key word poisonous mushroom, poisoning, forest history